<耐震偽造>「98年から60件」証人喚問で姉歯元建築士
衆院国土交通委員会で14日、耐震データ偽造問題をめぐり姉歯秀次元1級建築士(48)の証人喚問が行われた。2度の参考人招致を欠席していた姉歯氏は、「木村建設」の篠塚明取締役(元東京支店長)から鉄筋量を減らすようプレッシャーをかけられ、「偽造は98年ごろから60件前後やった。最初はグランドステージ池上(東京都大田区)だった」と証言し、謝罪した。また篠塚氏から鉄筋減量について具体的な数値を示されたとし、篠塚氏が違法性を知っていた可能性を指摘。偽造方法は「独自に考え出した」と述べた。午後1時から、木村建設の木村盛好社長と篠塚氏の証人喚問が行われ、篠塚氏は「強く圧力をかけたことはない。偽装関与は一切ない」と反論した。続いて、経営コンサルタント「総合経営研究所(総研)」の内河健社長の証人喚問が行われる。
姉歯氏の喚問ではまず、林幹雄委員長(自民)の質問に対し、偽造の全体像を「98年ごろから60件ぐらい」と説明。「国交省が当初公表した21件以外は覚えていない」とする従来の主張を翻した。
動機について「当時、木村建設の仕事が90%ぐらいを占めていた。篠塚氏から『(鉄筋量を)減らさないと仕事を一切出さない』と言われ、生活が出来なくなるので、やった」と、収入の確保のためだったことを強調した。妻が入退院を繰り返していたことも明かし、「やってはいけないと分かっていたが、弱い自分がいた」などと述べた。
建築基準法の基準を満たさないレベルまで減らしたことについて、「図面を見て、(篠塚氏から)『これじゃあ(予算に)合わない』と言われた」と証言。一覧表を見せられて「通常80〜100キロとあるところを、60ぐらいに」などと具体的な数字を指示されたとした。また篠塚氏に計約200万円のリベートを渡したことも明かした。
姉歯氏は民間確認検査機関「イーホームズ」の責任も「プロがいるので見抜くことはできると思っていた」と強調した。
また、姉歯氏は「総研のホテルは柱の断面が小さく、非常に無理がある」などと証言。総研側が会見などで、「姉歯氏には担当者が2回会っただけ」としていたが、姉歯氏は「それ以前にも担当者に4〜5回会っている」と食い違いを見せた。さらに、偽造発覚のきっかけになった04年3月の学生マンション(東京都港区)設計の打ち合わせで、耐震性の不足を指摘され、その場で訂正を約束。同席していた篠塚氏や総研の担当者についても「専門家同士が『低減』と言うのを聞いていたので(意図的な改ざんを)認識していたと思う」と述べた。
国会の証人喚問は02年3月に外務省をめぐる疑惑での鈴木宗男元北海道・沖縄開発庁長官以来。証人喚問は議院証言法に基づいて行われ、参考人招致と異なり、証言内容について偽証罪も適用される。
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